最後の夏休み Last Summer Days.
「私ですけど、どういうご用件?」



「小説家の……いえ、椎名さんの知り合いなんですが」



「椎名? ―――カズヤのこと?」



封筒の裏側の名前を確認する。



「はい。椎名カズヤさんです」



改めて小説家の名前がこんな名前だったんだと思う。



知らないヒトみたいに。



だって、アタシにとって小説家は、小説家だから。



「………そう。どうぞ」



「ありがとうございます」



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