最後の夏休み Last Summer Days.
部屋の中に案内されて、リビングのソファーにすわる。



そろえられたインテリアはどれも高そうな物でシックにまとめられていて、



その中にある場違いなサーフボードがさみしそうだった。



アタシは彼女が小説家と一緒に暮らしていたヒトにはとても思えなかった。



「サーフィンするんですか?」



そんな部屋の中で、窓を閉めている彼女の姿は、



今にも色を失っていってしまうように見えた。



「ああ、これ? ダンナの。私は泳げないから」



ガラステーブルに置かれたアイスコーヒーが汗をかき始める。


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