最後の夏休み Last Summer Days.
「ダンナさんってどんなヒトなんですか?」



「ん? 仕事? 建築デザイナーよ」



「そうなんですか………」



「サーファーだと思った? あれは趣味なの」



彼女は小説家とは違うタイプのヒトを選んだんだ。



「そのおかげで結婚したんだけどね。私が溺れてるところをたすけてもらったから」




そう思うとなぜかアタシが切なくなった。



「タバコ、吸ってもいいかな?」



「はい。どうぞ」



アタシは首筋を伝う汗をハンドタオルでそっと押さえた。



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