最後の夏休み Last Summer Days.
もしかして―――



「………まだ好きなんですか?」



「―――どうかな? 忘れようとしてたのはあるけど、簡単には忘れられないよ。



全ての思い出があのヒトにつながっていくから」



「………そんなに小説家が好きだったのに、何で別れたんですか?」



「何でって、………一緒にいると二人ともダメになってしまうから。



お互いがお互いに依存しすぎていたの。



甘えてた」



「甘えたら、ダメなんですか?」



アタシは小説家の優しさに甘えていた。



「ダメじゃないよ。



でも、それを受け止めることもできないヒトだったの。



自分のことに精一杯で、二人のこれからのことなんて少しも考えてくれなかった」



何も聞かずに家出少女のアタシを1ヶ月も部屋にいさせてくれたんだから。



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