最後の夏休み Last Summer Days.
「連絡先は、ご存じではないんですか?」



「はい。友人のヒトも連絡つかないんです。この男性なんですけど」



15歳の小説家とミヤさんの写真を見せると、彼女はしばらく考えるように黙った。



「10年前の写真しかなくて。今は27歳なんですが」



「わかりました。写真お借りしますね。詳しそうなヒトに聞いてみます」



どんな小さな手がかりでもいいから、見つかってほしい。



今の小説家に会えるなら、



もう一人のアタシに会ったってかまわない。



それで死んでしまっても、小説家に会えるならかまわない。



だってアナタに伝えたいことがあるから。



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