社会のゴミ屑が異世界へ旅立ったようです
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「…はい、次の方どうぞ」
年配の男性の声に促され、白いドアをくぐる
床も壁も天井も、すべてが真っ白な部屋からまた、すべてが白い部屋へ移動した
「そこの椅子に座ってください」
部屋の真ん中に椅子が出現した
真っ白な空間のなかで、無機質な椅子に違和感がある
素直に座り、声はすれど姿の見えない人の次の言葉を待った
「えっと、君は篠原純哉(シノハラ ジュンヤ)。享年24歳の男性。死因は首吊り自殺による窒息死で間違いないですか?」
「……はい」
死んだときの記憶ははっきりとある
死んで初めて知ったが、天国や地獄もないのだ
ここは事務的に死んだ人間を今後どうするかを決めるとこのようだった
「篠原さんは自殺ということで、輪廻権利の剥奪、魂の抹消がおこなわれます。篠原さんがいた世界では人口が増えているので、自殺した人や情状酌量の余地のない犯罪者には次の人生は与えられないことになっているんです。ご了承ください」