社会のゴミ屑が異世界へ旅立ったようです
「……わかりました」
もともと、輪廻転生やら天国地獄、極楽浄土など信じていない
この世界から完全に消えるならそれでいい
「では、黒いドアへお進みください」
声と同時にドアが出現した
黒いドアをくぐれば魂の抹消とやらがおこなわれるのだろうか
椅子から立ち上がると同時に椅子が消える
ドアまで数歩歩き、ためらいもなくドアを開けた
白い部屋から黒い部屋へと移動し、次の声を待つ
すると声ではなく、人が現れた
長い金色の髪に金の瞳。白い肌、細い身体
西洋人のようで、どこか馴染みのある顔だった
「最近の日本では君みたいな人が多い。抹消は僕しか出来ないのだから、もう少し自殺は控えてもらいたいものだ」
眉をひそめ呟く人。男性なのか女性なのかもわからない容姿と声だった