吸血鬼に愛されたプリンセス

本物の吸血鬼!?

夕日に染まる街を見ながら、大きく深呼吸した。

吸血鬼の事を調べてたら、なんか自分がバカらしい。



「今日の夕飯、何にしようかな」




近くのスーパーにより、食材を選ぶ。



というか、視線を感じるのは私だけ?

「お姉ちゃん、暇~?」

「一緒に遊ぼうよ~」


近づいて来たと思えば、急にナンパですか?

赤いツンツン頭と、金髪ロンゲ。



うわ~、ないわ~。




こんな奴等相手にするほど私は暇じゃない。



とりあえず無視。






「ねぇー、聞いてんの?」



それでもついてくる奴等。

会計をして、商品を袋に詰めてても、チャラ男達は引こうとはしない。




ナンパは初めてじゃないから、もう慣れてるし。


そのうち、諦めて帰るだろう。




___その考えが甘かった。







「おい、可愛いからって、調子のんなよ」

グイッと、赤いツンツン頭が腕を掴んだ。




「別に、可愛くないし、調子のってないわよ」

負けずに言い返す。



「度胸だけはいいんだな」

と、金髪ロンゲ。



「だいたい、絡んできたのはアンタ達でしょ?」

「そんな聞き方していいのかな?」



ガンッッと鈍い音をたて、私の体は壁に押し付けられた。




「男二人と女一人で、勝てる訳ねーじゃん」


男達はケラケラと笑った。




それより、袋の中に入ってた卵、大丈夫かな?

って、それどころじゃないのは分かってる。



女子がよくやる「助けてぇ~」みたいなやつやってみる?
・・・いや、逆に煽るだけだ。


やばい。ホントにあせってきた。
ここで、私の純潔は汚されるのか。



その間に、男の唇は近づいてくる。

ここは暗い路地。
まぢでやばい。









綺麗に輝く満月の月。




誰でもいいから、助けに来て____


私は無意識に心の中で叫んでいた。
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