毒舌、綺麗にかわされました。
はぁ、はあ。

息を切らせながら、屋上の重たいドアを
開ける。

ぎーっと音が鳴り、ドアが開いた。
ぶわっ、と風があたって気持ちいい。

長い髪がさらっとなびく。

大路は、私より先に来ていた。

「早かったね。そんなに早く、俺に会い
たかった?」

にこにこと嬉しそうに笑う大路。

ーうん。会いたかったよ。

という、言葉を必死に飲み込む。

「別に。自意識過剰ですね。」

しれっ、とした顔で言ってみたけれど。
きっと顔、赤い。

「ははっ。照れんなよー。」

いまだに笑い続ける大路の顔は、太陽に
照らされて。

キラキラ輝いていた。



あ、好きだ。
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