毒舌、綺麗にかわされました。
「どう?俺のこと好きになった?」

子犬のように可愛らしい表情で、私を
見つめる大路颯斗。

「…なりません。」

いや、今度は本気で呆れた。

これくらいのことで、好きになるなんて
あり得ないでしょ。

単純な女だと思われているのだろうか。

「えー、照れんなよぉ。」

奴は、笑ながら肘で私をツンツンする。

「照れてないですし、肘をあてないで
下さい。汚い。」

じろり、と睨む。

まぁ、それで大路颯斗が怯まないことは
分かっているのだが。
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