毒舌、綺麗にかわされました。
「あの、白雪さん。」
柄にもなく色々なことを考えていると、
小さな声がふってきた。
その声はどことなく震えていて。
ーどれだけ私が怖いんだか。
「何。」
顔をあげると、ノートを抱えた女子。
「国語のノート、出してください。」
あぁ。あの宿題ね。
はい、とノートを差し出す。
するとその子は、ほっとした顔をして
急ぎ足で行ってしまった。
私だって、むやみやたらに毒を吐くわけ
じゃないんだから。
あんなにかまえなくてもいいのだけど。
心でそんなことを呟いてみる。