毒舌、綺麗にかわされました。
「ごめん、あんまり聞かれたくない話、
なんだ。お互い、ね。」

…?

お互い…?


意味深な言葉を言い、中原さんは私を
まっすぐと見つめた。

「白雪さん、両親がいないんだよね?」

急に言われ、心臓が嫌な音をたてる。
…何で、知ってるの?


「やっぱり。ねぇ、白雪さんの両親が、
何で死んだか知ってる?」

冷たい笑みとともに発せられた言葉。

それは、いつも私が浮かべるような。
人をひるませる、笑み。

そして。



人を不快にさせる、笑み。


「知りません。」

私は、無表情で中原さんを見る。
動揺がばれないように。
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