毒舌、綺麗にかわされました。
「私の親、警察なの。」

…。

「色々複雑な事件だったらしくてねー。
世間にも、家族にも、心中っていうこと
は内緒になったんだって。」


淡々と話す中原さんは、地味な子特有の
気弱さなんて微塵も感じられない。


「心中とか、マジあり得ないよね?皆に
バラされたくないよね?」

…どくん、どくん、と心臓がなる。
尋常じゃない、大きさで。

「だったら、おーじ様にはこれ以上、
近づかないで。」

そう言われた時。


あぁ、この子の目的は大路か、とやっと
気づいた。
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