毒舌、綺麗にかわされました。
「美姫ちゃん。」

重苦しい空気の中、まず口を開いたのは
おばあちゃんだった。

「今日から私たちの家が、美姫ちゃんの家だからね。」

優しい口調。
だけどその声は震えていて。

何で、と聞くのもためらってしまうほど
弱々しくて。

私は小さく首をかしげる。

それに応えたのはおじいちゃん。

「お前の両親は、もういないんだ。」

言い方こそは乱暴だったが、やはり声は
おばあちゃんと同じく、弱かった。

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