君と僕~奇跡の1460日~
『なので、桜庭様、
みお様の事、よろしくおねがいします。』
そういって、僕に頭を下げる椎名さんは
ほんとうに、彼女のことを思っているんだ
と、改めて思った。
そんなことを考えているといつの間にか彼女の部屋の前だった。
彼女は、僕が部屋に入ってくると
驚いて、布団の中に隠れてしまった。
そんなところも可愛いと思う、
僕は、どうかしているのだろうか?
『なんできたの?』
布団からひょっこり現れた彼女は
少し照れくさそうだった、
『みおがみたかったから。』
そう言うと、彼女はまた
布団の中に隠れてしまった。
そんな彼女がどうしても愛おしくて。
彼女の手を握った。
彼女は驚いて布団から出てきた、
僕は不意打ちでキスしたんだ。
彼女は、『移るよ?』って、
僕は、『じゃあもらってあげる。』って
周りから見たらすごく臭い言葉
漫画やドラマでよく言っている
ありきたりな言葉。
でもこの時に、僕が彼女の病気を
もらっていれば、
どんなによかっただろう。
この時の僕達はまだ、
何も知らなかったんだ。
そぅ、なにも。。。