机に書いた告白
「え…………?呼んだ?」
私を呼ぶ声は右隣から聞こえてきて。
その声は『イケメン王子様』と言われる人の声だった。
驚きながらも聞き返した私に、
唐沢君は笑いながら『呼んだ呼んだ』と答えていた。
いつもお話しをしている矢島さんは…と思ってその向こう側の隣を見れば、
席は空席で……どうやらトイレにでも行っているようだ。
「何か?」
相手が『イケメン王子』という事で手に汗を握りながら聞けば、
「浅岡さんさ~」
と、口を開く唐沢君。
その笑顔が……何だかいつも遠目から見ていたのと違う事に気づいたのは、
その言葉を聞いてからか、聞く前か…………
なんだろう………この意地悪そうな顔……
「意外と単純なところに答えはあるんじゃない?」
ああ。心の底から何かを楽しんでいるのだ。このイケメンは。