机に書いた告白
「あんたが前に書いたんじゃないの?
あまりにも綺麗に書けたから消さなかったとか?」
休み時間の教室。
私の前の席から机を見て、
興味なさそうにお菓子を食べる親友・美奈子。
「いやいやいや、私書いてないからね?
こんな上手い字書けないし!」
「それもそうだね。
未祐の字はもっと下手だ!」
ゲラゲラと笑いながら私・浅岡未祐を笑う美奈子はサラッと酷い事を言う。
「ってかさー、昨日未祐の小学生の時の話してたじゃん?
それ聞いてたっぽい感じじゃない?」
「………昨日」
昨日の話。
それは私が小学生の時、他のクラスに好きな男の子がいて、
その男の子の机に『すき』って書いたという思い出だ。
しかし、『すき』って書いたは良いが自分の名前を書かなかったので、
次の日もその次の日も返事は貰えなかったという……
まあ、子供ながらの間抜けなエピソードを、
笑い話にしながら話した訳だが。