机に書いた告白
記憶の中
「う~ん…」
この『好きだ』の筆記に見覚えが無い。
というか、こんな筆記で誰だか見つけるなんて機会想定してなかったから、
人の文字なんて考えて見ていなかった。
あの時を思い出せ…
私があの話を美奈子としていた時、誰が近くに居た?
後ろの席ではクラスメートの女子が数人ワイワイしていて、
隣の席の唐沢君は矢島さんと話をしていた。
唐沢君の前の席は………
「う~ん……」
「浅岡、先生の説明そんなに難しいか?」
ハッと気が付いて、顔を上げればまたまたこちらを見るクラスメート。
そして、教壇に立ちながら心配そうに見ている若くて優しいと評判の男性教師。
ヤバイ。授業中だった。
「先生。浅岡さんは生まれた時からずっと変なので気にしないで授業進めてください」
アタフタしてノートを開く私をチラッとみた美奈子は、
呆れた顔をして先生に言う。
先生は『そ…そうか?浅岡、わからないところは後でちゃんと先生に聞くんだぞ?』と優しく声を掛けて授業再開した。