オフィスの甘い獣(ケダモノ)
硝子の向うの空も橙色に染まりかけていた。
もうすぐ終業時間ーーー・・・
就任早々の副社長室の秘書業務はのんびりとしていた。
「今日は…残業する?」
「残業…ですか?」
残業するほどの量の仕事はまだ…社長から与えられていない。
「…明日は確か…『オリオン』の創業30周年のパーティだな…」
「挨拶のスピーチ考えておいてください…副社長」
「あ、そうだな…」
副社長はデスクに肘をついて手の平に顎を乗せて…私を見つめる。
「…書類には目を…」
「全部…通した…君にお使いを頼もうかな…」
副社長はちゃんと書類を分別していた。
「これは企画部の平木部長、これは人事部の戸川部長…これは社長ね…」
もうすぐ終業時間ーーー・・・
就任早々の副社長室の秘書業務はのんびりとしていた。
「今日は…残業する?」
「残業…ですか?」
残業するほどの量の仕事はまだ…社長から与えられていない。
「…明日は確か…『オリオン』の創業30周年のパーティだな…」
「挨拶のスピーチ考えておいてください…副社長」
「あ、そうだな…」
副社長はデスクに肘をついて手の平に顎を乗せて…私を見つめる。
「…書類には目を…」
「全部…通した…君にお使いを頼もうかな…」
副社長はちゃんと書類を分別していた。
「これは企画部の平木部長、これは人事部の戸川部長…これは社長ね…」