オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「ただいま…戻りました…」 




「ありがとう…今日は帰っていいよ…」



「・・・」


今夜も誘ってくれるかなと期待したけど…副社長はブリーフケースを手に持った。




「あ、お疲れ様…」



「…誘って欲しそうな顔してるけど…今夜は…ちょっと昔の同期と会うんだ…悪いな」



私は自分が思う以上に思うコトが顔の表情に表れるらしい。




「私は別に…」




「じゃあ~その顔は何?」



副社長は私の前に歩み寄って来る。



「ほら…おいで」


まるで猫を招くように…私を観葉植物の影に連れ込む。



「明日…穴埋めするから…パーティの場所はダイヤモンドホテル銀座だっけ?そこのスイート…リザーブしておくよ」


副社長は私の唇にそっと唇を重ねた。



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