オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「伊澤社長って…直美さんみたいな…タイプが好きなん?」



都さんは急に俺のタイプの女を訊いて来る。


店に入るまで上機嫌だったのに、店に入って直美さんと挨拶を交わした途端。

急に機嫌が悪くなり始めた。


僅かにふくれた頬、つんけんした口調。



ーーーー彼女は俺に気があるらしい。



「…それはビジネスに関係にあるコトか?」




俺は今…佑月に惚れている。


彼女の質問に答えつもりは全くなく、冷たく畳みかけた。




「関係ないけど…」


彼女は語尾を濁して、そのまま黙ってしまった。









< 121 / 318 >

この作品をシェア

pagetop