オフィスの甘い獣(ケダモノ)
私はバックの中にカードキーを忍ばせた。




何もなかったように南さんたちの元に帰っていく。




「緊急事態って何?」



「…別に大したコトなかったわよ」



南さんは訝しげに私を見つめる。



「…もしかして…先輩…副社長と付き合ってるんですか?」



「あ…」



南さんって恋愛に関しての勘は刃物のように鋭かった。



隠しゴトの出来ない馬鹿正直な私は誤魔化すコトが出来ない。





「…そうなんですね…」




止めにもう一声。
彼女は私に顔まで近づけて来た。



南さん、副社長に本気だったの?

有無も言えない私は頷いた。
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