オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「そう言われても…俺には俺の仕事があるし…臣にだって相談しないと」




「それもそうだな…」



「恨みか…神宮寺一族も複雑だな…」



「金は欲しいが有り過ぎても困るだけだな…」



俺と高井田は広間に向かって歩き出した。



高井田は元弁護士で臣と同じ京大の出身。


俺は臣に紹介されて、友人関係にあった。


高井田は有能な男。



臣には仕事で困った時は、親会社の社長秘書を務める高井田に相談しろと就任する前にアドバイスした。




臣自身、この話には相当迷ったらしいが俺の後押しもあって副社長就任の話を受けた。



事情を知れば知る程…臣の背負う重圧を気に掛ける。

臣はプレッシャーに弱いからなぁ。



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