オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「社長…臣です」



「臣か…」



昨晩、社長はパーティの席でかなりの酒を呑んだと言うのに…俺よりも早く出社して仕事をしていた。




「…臣…昨日の挨拶は完璧だったぞ…頼社長も驚いていた…」



「いえ…あのような挨拶で…褒められるなんて光栄です」



「ところで…臣…お前は本気で細谷君と交際しているのか?」




「・・・」



やはり…あのホテルに泊まったのがマズかったか…
今更、後悔しても遅い。



「…細谷君は秘書として非常に有能だし…わしも彼女をお前の伴侶にしてもいいと考えている…」



社長は臣と佑月の結婚を望んでいる…



「俺たちはまだ…交際を始めたばかりで…」

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