オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「君は俺の罪を許してくれるの?」



「それは…和さん次第です…」



「俺次第か…今…ここで君を捨てたら…俺は一生…悪い男だな…」



「和さん…」


「佑月…」

彼の低い声が甘さを滲ませ、私の名前を呼ぶ。



でも、私の名を呼んで、
それ以上は何も言わず、私の身体を自分の腕の中に捕えた。

私も黙って、彼に身体を預ける。


抱き合った私たちを乗せたエレベーターは1階で停まった。




「…佑月…後でメールするよ…」




「あ、はい…」



私は我に返って自分から抱き付いたのに、頬を染めながら慌てて身体を離した。




「…大胆になったかと思えば…貞淑になる…佑月は飽きない女だな…でも俺以外の男には騙されるなよ」


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