オフィスの甘い獣(ケダモノ)
私は和さんと別れて、副社長室に戻った。



「ただいま…戻りました…」



「お帰り…細谷」



私の目の前でパソコンと弄るのは本物の副社長・臣さん。




「…お前を騙した形になってしまったな…すまない」



「別人だと何処か感じる部分は有りましたが…本当に別人だったなんて…」



「俺たちを生んだお袋でも間違えるんだ…赤の他人のお前が間違えても仕方がない」



「…臣さん…私…」




「俺じゃなく…和がスキなんだろ?」



「…すいません…」



「…謝られると余計に惨めだ…もう少し…時間を要せば…佑月は俺をスキになっていたと思っている」




「臣…さん?」



「…和が悪さをしたら…俺に言えばいい」


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