オフィスの甘い獣(ケダモノ)
二人でカウンターのスツールに座る。




「臣と都さんが気になる?」



「…いえ…」



「佑月の初めての男だからな…その事実は永久に変わらないけど…佑月を俺仕様にカスタマズすればいいコト」




「カスタマズって…」



「…『オリオン』辞めて…俺の会社に来る?小さな会社だけど…四六時中…一緒に居られるよ」



「あ…」



「・・・」



和さんの手が急に伸びて来た。


私の横の髪を耳に掛ける。




「和さん?」



「耳朶のツボって目の疲れを解すらしい…」



彼の指が優しく私の耳朶に触れる。


「…コンタクト、嫌なら無理に装用しなくてもいいと思う…」








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