オフィスの甘い獣(ケダモノ)
【20】 獣の誠意

佑月side~

私は高井田さんから仕事を引き継ぐ為に親会社の『クリスタルコーポレーション』本社に足を運んだ。



「神宮寺社長…『オリオン』から来ました…細谷佑月です…精一杯頑張りますので…宜しくお願いします…」



元華族の由緒ある家筋の神宮寺家。

その神宮寺家当主は和さんたちと同じ31歳の神宮寺頼社長。



誰もが羨む財力と超絶な美貌と長身の美青年。


でも…頼社長は既婚者で双子の子持ち。



「…今まで…俺自身…男性の秘書としか仕事をしたコトがないから…緊張している…」




「そんなぁ…」




私の方がますます…緊張して来た。




「…暫くは俺が居るし…大丈夫だよ…細谷さんの身の安全は保障するよ」




「…高井田!?俺が細谷さんに手を出すような言い方はよせよ」




「…そんな風に訊こえました?」



「訊こえた…」



「…とりあえず…まずは…給湯室に」




「はい」





< 201 / 318 >

この作品をシェア

pagetop