オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「静かに…」



和さんは私の唇に人差し指を立てた。




「…サプライズにしたかったけど…指輪のサイズが判らなくて…」



『渋谷ヒカリ』に入って向かった先はジュエリーショップ。




男性が女性に指輪をプレゼントするのって特別な意味があるよね…



和は私にどんなキモチを込めてくれるのかな?



期待してもいいですか?




彼が見るのはダイヤモンドの指輪…



ショーケースの中で輝く銀色の小さな石。




「…佑月…どれがいい?選んで…」




「どれって…」



「…お前の欲しいダイヤを選ぶんだよ」



「どうしてダイヤ限定なの?」




「…婚約指輪にするからだ…当たり前のコト…訊くな」



和は頬を染めて、はにかんだ。
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