オフィスの甘い獣(ケダモノ)
帰りたくても帰れない…



私があたふたしていると立脇部長のご子息が戻って来た。



「初めまして…立脇惇平(タテワキジュンペイ)です…」




ダークブラウンの髪色にキリッとした眉に切れ長の瞳。

三つ揃いの紺のスーツに同系のストライプ柄のネクタイ。


右手にトレンチコートを持っていた。




「…親父…俺だって忙しいんだよ…」




「まぁ~いいじゃあないか…2階の懐石料理の店を予約しているから…二人で向かいなさい」



「いきなり…二人かよ!?」



「わしたちが同伴の方がいいか?」




「別に…」




お義父さんたちはゴルフの話をしながら…私たちから遠ざかって行った。

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