オフィスの甘い獣(ケダモノ)
立脇さんには恋人同士とは言わず、二人で揃ってICUを出た。



「立脇の見合い相手って…?」



「昨日…無理矢理…お義父さんに見合いさせられたと言うか…」



「はぁ?」


和さんの優しい顔が怪訝な表情に変わり、私に鋭い視線を送る。



「…俺がプロポーズをしたコトは内緒にしろと言ったけど…俺の存在自体を内緒にしろとは言ってない…」



「ゴメンなさい…」



私は和さんに頭を下げる。



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