オフィスの甘い獣(ケダモノ)
耳許を擽られ…思わず反射的に肩が震える。



「感じたのか?ここはオフィスだぞ…」



彼のくぐもらせた声がまた耳許を擽った。意地悪な彼の所作に私はジロリと睨み付ける。



「ははっ」



彼は私の抗議に笑いを飛ばす。




私は腹が立って仕方がないーーーー・・・



思いっきりパンプスの踵で彼の革靴を踏みつけた。



「いてぇ…」



彼は大声を上げて眉間に皺を寄せる。


私は『ざまみろ!』と揶揄を込めて彼を見た。


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