オフィスの甘い獣(ケダモノ)
住宅街の間にポツンとある小さな公園。


ブランコと滑り台、二つの遊具と砂場しかなかった。

私達は水銀灯の下で話をする。

「…話って何?」



「お前…俺のコトどうして…お義兄ちゃんと呼ばなかった?」



「それは…」



「でも、いざ…お前にお義兄ちゃんと呼ばれるようになって…寂しいキモチが湧いた」



「お義兄ちゃん?」



「俺…そのキモチが判らなくてずっと悩んでいた…」



「・・・」



水銀灯の明かりに照らされたお義兄ちゃんの顔が優しい兄の顔ではなく男の顔に見えた。




「俺…佑月お前のコトがスキだった…」


< 275 / 318 >

この作品をシェア

pagetop