オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「ま、待って…それは…困ります!」
「…じゃあ~お願い…」
「コンタクト着用はいいですけど…スカート丈は…従えません…」
「…それは残念だな…」
臣さんは自分の顎を摘まみ…軽くため息を漏らした。
「…ではこれで失礼します…」
「仕事中…悪かったな…明後日な…佑月」
私は臣さんを残して…社長室に戻った。
「社長…戻りました…」
「…臣は何と言っていた?」
「…よろしくと言っていました」
「では…臣の秘書の件…引き受けてくれるのか?」
「はい」
私は力の無い返事を社長に返す。弱みを握られた私に拒否権はない。
義兄の挙式日は多分、一生忘れないだろう。
失恋した挙句に人間の皮を被った獣男と一夜を共にしてしまった。
今更、後悔しても遅く、始まってしまった獣男のお付き合い。
本当にあの日は私にとって人生最悪の日だ。
「それよりも…口紅が口許からはみ出しているよ。細谷君」
「え、あ…申し訳ありません…直ぐに…直して来ます!」
「…じゃあ~お願い…」
「コンタクト着用はいいですけど…スカート丈は…従えません…」
「…それは残念だな…」
臣さんは自分の顎を摘まみ…軽くため息を漏らした。
「…ではこれで失礼します…」
「仕事中…悪かったな…明後日な…佑月」
私は臣さんを残して…社長室に戻った。
「社長…戻りました…」
「…臣は何と言っていた?」
「…よろしくと言っていました」
「では…臣の秘書の件…引き受けてくれるのか?」
「はい」
私は力の無い返事を社長に返す。弱みを握られた私に拒否権はない。
義兄の挙式日は多分、一生忘れないだろう。
失恋した挙句に人間の皮を被った獣男と一夜を共にしてしまった。
今更、後悔しても遅く、始まってしまった獣男のお付き合い。
本当にあの日は私にとって人生最悪の日だ。
「それよりも…口紅が口許からはみ出しているよ。細谷君」
「え、あ…申し訳ありません…直ぐに…直して来ます!」