オフィスの甘い獣(ｹﾀﾞﾓﾉ）

「旦那様…」



ダンスホウルに執事姿の高井田さんが入って来た。


高井田さんは頼社長の邸宅に住み込み、プライベートでは執事の仕事をしていた。





「…高井田…どうした？」



「濱部夫妻とお子様が来ましたよ」



「辰真たちも来たか…俺が迎える…」




「私も行きます！」


頼社長と深幸さんはエントランスに向かった。




「高井田…お前…どこに居るかと思ったら…」



「俺は色々と大変なんだ…まぁ～臣お前ら楽しく過ごせよ…」



高井田さんは少し曲がった蝶ネクタイを整えて、大広間を出て行った。