オフィスの甘い獣(ケダモノ)
佑月はキスした俺を睨み据えるが…そんなのはお構いなしに先に部屋を出て廊下に出る。




硝子越しに見える秘書室を流すように見つめながら…会議室に向かった。




「副社長…待ってください…」



フロアの突き当りの左側が会議室らしい。




俺はドアを開けて中へと入っていく。




楕円形のドーナツ型の白いテーブルを囲むように幹部クラスの連中が座っていた。




俺はどこに座ればいいのか判らず…しばし…幹部たちの注目を浴びる中…立ち尽くす。





「副社長の席はこちらです…」





俺を追い駆けて来た佑月が俺を席に誘導してくれた。




「お前のおかげで緊張が解れた…サンキューな」




佑月の耳許で礼を言う。



でも、それだけなのに…佑月の白い頬は薄紅に染まる。



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