オフィスの甘い獣(ケダモノ)
* * *


式は滞りなく終わり、宴会場で披露宴が始まった。




「あれ?何処に行ったかしら??」


「えっ!?お母さん…まさか…私の眼鏡…失くしたの?」



「…帯の間に入れたんだけどね…」



「・・・別にいいけど…」



「でも…全然…視界がボヤけて見えないでしょ?」



「別に見えなくてもいいよ…」



私は投げ遣りな言葉を返し、さっき運ばれて来た前菜のサラダを口にした。






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