オフィスの甘い獣(ケダモノ)
臣さんが選んだ店は本場のイタリア料理を食べながら…ダーツやビリヤードと言ったオトナの遊びが楽しめる賑やかなBARだった。



「…臣さん…ダーツするんですか?」


「まぁね」


「へぇ~っ」



「姫はここね♥」



臣さんはダーツ場の脇にあるスツールに私を座らせた。



「…ダーツのルールって判る?」




「いいえ」



「ってゆーか…佑月…あの的の数字…見えてる?」




「…左目で見れば何とか…」



右目はぼやけたまま。


会社に行けば…予備の眼鏡がデスクの引き出しに入っているけど。


眼鏡を取りにわざわざ…社屋に戻るのは面倒臭かった。


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