オフィスの甘い獣(ケダモノ)
彼女をダーツボートのそばのスツールに座らせて…



的に向かってダーツの矢を放った。



半分…視界がボヤけた彼女には俺のカッコよさも半分しか伝わらない。




カウンターで軽くカクテルを飲んで話を交わす。




それでも彼女は俺が臣じゃないと気づかない。



時間が時間だし、このまま…実は臣じゃないと素直に告げて紳士的にタクシー乗り場まで送るか?



臣の振りをしてこのまま…彼女と朝まで楽しむか?



二者択一の選択が差し迫っていたーーー・・・




佑月のコトは臣の話でしか訊いていない。


でも…話していると佑月は臣に義兄のコトを知られ…それを盾にされ、弱い立場で…臣の言葉には言いなりの状態。



それを逆手に取って…迫るのは卑怯だけど…



彼女を帰す気にはなれなかった。






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