オフィスの甘い獣(ケダモノ)
体調不良で二次会はドタキャンしてしまった。



私はホテルの最上階のBARで一人…カクテルを飲む。



BARは全面硝子張りで夜景のロケーションは最高。

アルコールのメニューやカクテル類も充実していて…どれにしようか迷うほどだった。



眼鏡を外して、ぼんやりとした視界で夜景を眺める。



全ての光彩が霞んで見えるけど…



それはそれで味わいがあった。



「一人?」



「!?」


低く甘い声音。


声の主である男のフレグランスが私の鼻腔を擽った。私は思わず反射的に彼を見る。


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