オフィスの甘い獣(ケダモノ)
「秘書は何かと気を遣う仕事だな…」



「慣れましたから…」



「慣れたか…後で君にとびっきりのご褒美をあげるよ」



「…ご褒美…ですか?」



副社長は意味深な笑みを浮かべてトレイを取った。



「さすがは大手の会社だなぁ」



「…臣さん貴方がここの副社長です…早く…慣れて下さい…」



「そうだな…君も早く…俺にも慣れるように努力しないと」



耳許で囁かれた言葉は刺激的だった…



「副しゃ…」



ビュッフェ形式の社食。


副社長は茹った顔を見つめ…誇らしげな笑みを浮かべ…目の前のサラダのトングを手にした。






< 92 / 318 >

この作品をシェア

pagetop