ヴィーナスになった猫
13ヴィーナスの輝き
13ヴィナスの輝き
いつのころからか、西の空に一番星が輝くころになると、小型飛行機が駐機しているスポットの近くの草むらに一輪の花と、なおっちの大好物だった魚入りのカマボコが置かれるようになりました。
パイロットたちが飛行の安全を祈って、草の上に置くようになったのです。
そして、小型飛行機に乗り込む保奈美の腕には、なおっちが付けていたあの赤いリボンが、いつもひらひらとなびいていました。
やがて保奈美も大型飛行機の操縦訓練のために、この飛行場を離れて行きました。
しかし、西の空に一番星が輝くころになると、保奈美はいつも、あのヴィーナスのなおっちのことを思い出すのです。
「なおっち、見ていてね。私、きっと一流のパイロットになるから」
保奈美が金星に向かってつぶやくと、金星がキラー、キラーっと光り輝きました。
それはまるで、ヴィーナスのなおっちがにっこりと笑ったような、輝きでした。
(おわり)
いつのころからか、西の空に一番星が輝くころになると、小型飛行機が駐機しているスポットの近くの草むらに一輪の花と、なおっちの大好物だった魚入りのカマボコが置かれるようになりました。
パイロットたちが飛行の安全を祈って、草の上に置くようになったのです。
そして、小型飛行機に乗り込む保奈美の腕には、なおっちが付けていたあの赤いリボンが、いつもひらひらとなびいていました。
やがて保奈美も大型飛行機の操縦訓練のために、この飛行場を離れて行きました。
しかし、西の空に一番星が輝くころになると、保奈美はいつも、あのヴィーナスのなおっちのことを思い出すのです。
「なおっち、見ていてね。私、きっと一流のパイロットになるから」
保奈美が金星に向かってつぶやくと、金星がキラー、キラーっと光り輝きました。
それはまるで、ヴィーナスのなおっちがにっこりと笑ったような、輝きでした。
(おわり)