もう一度愛してくれますか?
真城との楽しい時間もあっという間に過ぎ、お別れの時間。
「じゃーな」
「うんっ、また明日ねっ」
真城は名残惜しそうに私をギュッと抱きしめてから、手を振り背中を向けた。
一生会えないわけじゃないのに、すごく寂しくなる。
…私、真城にはまり過ぎかなぁ?
ガチャっと玄関の扉を開けると、すでに寂しげなオーラが漂っていた。
真城がいないだけで、こんなにも静か…
憂鬱な気分…
私はいそいそと自分の部屋に行き制服を脱ぐ。
「…ぇ、何?俺にサービス?」
っっ!?!?
パッと後ろを振り返ると少しニヤついた優羽が立っていた。
「なっ…!?いつのまにっ」
「ちょうど美月が脱ぎ出したぐらいに?」
「うそっ!?」
「うそじゃねーし…てか、前閉めろ…俺でもさすがに…」
キャッ!
私、こんな格好で優羽と話してたの!?
恥ずかしいょーっっ
「お前…いくら俺だからって…///」
そんな事をブツブツと言いたがら優羽は部屋を出ていく
「え…優羽、もー帰るの?」
「ばーか、帰らねーよ。早く着替えろ。今日は寒いから暖かい格好にしろよ」
「あ、うん!ありがとう」
バタンッとしまった扉の向こう側から
待っとくからゆっくり着替えろと優しい優羽の声がした。
廊下寒いだろうなぁ
ほんと、他人の事ばっか考えて
自分の事も考えなよ
まぁ、優羽のそういう優しさが好きで甘えてしまうんだけど。
急に綺麗な歌声が耳に入ってくる。
優羽の歌声だ。
たぶん、私が寂しくないように…。
ほんと綺麗な…安心できるような歌声。
頭の中を透き通って行くような…そんなイメージ。
「…ありがと…」
「~♪……なんか今言ったか?」
「…あ、うん!着替え終わったよって。」
「おっ!そか!よし、リビング行くぞ!」
ガチャっと部屋を開け、私の手首をつかみ、前を歩く優羽。
大人っぽくなった君の姿になんだか、距離を感じてしまう自分がいた。