もう一度愛してくれますか?
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「でさ~そこで中村がー…」



私を楽しませようと沢山の話をしてくれる真城。



だけど、ちゃっかり道路側を歩いてくれる。



やっぱり…好きだなぁ…。



でも…。



「ねぇ、あの人ちょーカッコよくない!?」



「ほんとだー!隣、彼女かなぁ~?」



「え~つまんなーい キャハハッ!!」



そう、真城はかっこいいからどこに居っても注目される。



真城はそんなことする人じゃないって分かってるけど…



少し、不安になる。



「そんでさ~…美月?どうした?」



「…え?あ…ごめんね。ちょっと考え事してて…。」



「俺より大事なこと?」



ちがうよ…。



真城…。



あなたが私にはもったいなさすぎるの。



「真城…。私不安なの…。急に離れていったり…しないよね?」



おもいきって口に出してみる。



真城は一瞬キョトンとしてすぐに笑った。



「ハハッ!ばっかだなー、美月は。」



「え…?」



急に真城に抱きしめられる。



「ちょ、真城…!?」



「…いつまでもずっと美月の側にいる。
何があっても俺がお前を守るから。だから…安心して…?」



耳元で囁かれた、あまりにも優しい言葉に私は少し涙が出そうになった。



あわてて下を向く。



「美月?みーつき!顔あげて?」



「や…だ…」



恥ずかしい…。



「何?泣いてるの?」



「泣いてないもんっ!真城がっ!!」



あ、顔あげちゃった…。



「俺が…?…何?」



真城は私の涙を拭いながら、いたずらっぽく笑う。



「優しいこと…言う…からっ…!もう…ばかッ!」



「ハハッ!!可愛いな、お前。」



そう言って、私の頭をぐしゃぐしゃとなでる。



真城の手はあたたかくて…安心できた。



「美月…好きだよ。」



「私も…真城が好き…。」



「ずっと一緒だからな?」



「もちろん!」



私達は手をつないで歩きだす。――――――――――



14歳の冬、あたり一面真っ白な12月24日。



今年のクリスマスは…暖かなあなたに包まれて。



幸せに満ち溢れていた…。



だけど…この幸せはこの後一瞬で壊されることになる…。



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