もう一度愛してくれますか?
~♪~♪~♪


私達がつないだあったかな手は、ぶんぶんと街中に流れるクリスマスソングにノって揺れる。



たくさんの人に溢れた道は混雑状態におちいっていた。



おかげで、ドンドンといろんな人の肩にぶつかってしまう。



「キャ!?」



「…!?大丈夫か?」



「うん…」



もー、危ないなぁ。



こんな道で走らないでよねー。



「そーだ…明日、家こねぇ?」



「…!?え…おじゃまして大丈夫なの?」



「…おう!」



うわぁっっ



私、真城の家に行くんだ、明日!!



え…なんか、緊張…。



お母さんとか、仲良くなれる…かな?



うわーうわーっ



明日、どんな服着ようかな…



おみやげ…必要かな…



何がいいんだろ?



「…どーかした?」



「いや、お母さんとか…挨拶をどーしたらいいのかなーって思って…」



「ああー…。あの人フレンドリーだから大丈夫だろw」



「え?そーなの??よかったぁー…」



なーんだ、明日楽しみだなぁー♪



「そーいや、クリスマスプレゼントってどんなのー?」



「んー?明日までの秘密かなー?♪」



「えー?」



渡ろうとしていた信号がピカピカと点滅しだし、私達の前で丁度赤に変わる。



ドンッ



「あ、おねーちゃん、ごめんなさいっ!」



そういって、小さな男の子はそのまま飛び出していく。



私も勢い余って、真城との手が離れてしまった。



そしてそのまま車道へと出てしまう。



小さな男の子は、横断歩道に落ちてあるキーホルダーを手にとり、嬉しそうに顔を上げた。



その時。



プップ―――――――――――――ッッッッ



「…!?危ない!!!」



「おいっ!!?美月っっっ!!?」



…え?



真城が私の名を呼んだ瞬間、全ての神経が飛ぶような…



そんな感覚に襲われた。



次第に目の前が白黒に変わっていく。



「ま…しろ…っ…―――――――――――――――」



真城が真っ青な顔をしてコッチを見ている。



真…城?



返事してよ…




伸ばした手はもう届かない。



一瞬にして



目に見えていた光は消え去った。
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