もう一度愛してくれますか?
「ぅ…!!はぁ…はぁ…」




急激な胸の痛みが私を襲った。




反射で思わず胸の心臓あたりをぎゅううーと押さえる。




それに気付いた優羽が私の背中に手を添えて体を支えてくれた。





「美月!?大丈夫か?とりあえずもう一度横になろう。体、ゆっくり傾けて?」





「う…ん……はぁ、はぁ…」





「2人とも!楓華、先生呼んでくるね?」





「おう!森咲、お願い!」





返事する優羽の声と同時に楓華が病室を出ていく。





「ごめ…ん…はぁ…はぁ…」




私が言うと優羽は私の頭をポンポンとなでて、




「落ち着いたか?急でビックリしたなー?久しぶりだもんな。もう、大丈夫だからな?」




といってくれた。








…2年たっても…眠ってても、かわらないんだね。





やっぱり。





「優羽…ありがとね……?」




「何いってんだよ、今更。病気は自分ではどーにもできねーんだから。しょーがないだろ?」





優しいね、優羽は。




2年前と何も変わっていない。




…優羽の性格も…。




私の……心臓も。





ちょっとの期待を持っていた自分は、やっぱり、バカだったなぁって。





そんなことを思っていると病室のドアがガララッ!と音をたててひらいた。





「…先生?」





見ると私の生まれた時からの主治医の宮井先生が入ってきた。





「美月ちゃん?大丈夫ー?ちょっと診せてねー…。」





そういって先生は私の腕をとり脈をはかる。





「110か~…ちょっと早いねー。次、心臓の音きくよ~…。」





先生は、チェストピースを手で温めてから私のパジャマの下から聴診器をいれた。





いくら温められたとはいえ、やっぱりヒヤっとした感触を肌に感じる。
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