Jimmy




「…痛いんですけど」

批判の目を向けながら

じろりと犯人を睨んでみた。

「うわーさすが目つき悪いだけあるわ

目だけで殺られそう」

とくに気にすることもなく、

棒読みでそれだけ言って

あたしの前の席の椅子に座った奴。

清水紅(シミズコウ)は今一番気の合う友達。

入学式翌日、学年1の美女と噂された

ぱっちりとした目

すっとした鼻

薄い唇に

色素が抜けた自然な茶髪

159センチと身長は普通であるが

きれいな形の脚には

もー男の子はほっときませんわな。

まあ4月の話やけどな。

「なんか用? 」

訪ねてみると嬉しそうに携帯を取り出し、

「あんなーうひひっ」

きもい笑い方やけど

まだ今のは許せる方やな。

「これ見てー」

見せられたのは紅のアップの写メ。

うん、びみょーになんか変。

確実に変。

「昨日な~、姉ちゃんにな~

ワキ毛抜いてもろてん!

ほんで抜いた毛な~

鼻の下に乗せてヒゲ作ったん!」

これが紅がモテんくなった原因。

彼女は個性派自由人である。

やからこそ自由人仲間であるあたしと

毎日仲良くやっとるわけよ。

このきもいキャラも慣れたら可愛い。




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