〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
一ノ瀬俊
一ノ瀬side
「バカやろ…」
読み終わったとき、オレの口から出てきたのはそんな言葉だった。
「オレは…とっくに、気づいてたんだよ。
オマエのことが好きな自分に。
なのにオレは、おまえの笑顔に甘えて──…」
最後の滲んだ文字は、アイツの思いが全てこもっていて。
「まだ2つ貸しがあんだろ…!?
返せよ。
ちゃんと、返せよ…っ!!」
今更、誰もいない病室でつぶやいても遅い。
オレは、今まで自分がなにをやっていたのかを酷く悔やんだ。