〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「なんで…
どうしてオレは、こんなにも…ッ!!
アイツの病に気付けなかったんだ!
オレが気付けば!オレが素直になっていれば…!」
オレは、今になって高条の痛みを知る。
“フられるのはつらいんですよ”
“怖いの”
“しっかりしなきゃ”
“ちゃんと笑わなきゃ”
(オレはこいつの本心に1つも気付けなかった…!)
オレは、声を押し殺して泣いていた。
その時、ベッドの上においたノートが、風に揺れてぺらぺらとめくれる。
最後のページを、どうやらオレは読んでいなかったらしい。