〖短編〗アオゾラ。―101ページの思い出―
「…んなこと、言うなって…」
オレは気がつくと泣いていた。
符和のことが好きだ。
そう気づいてしまったから。
符和は、オレが自分のことを嫌いだと勘違いしたまま消えてしまった。
それが悔しくて、悲しくて、涙が止まらなかった。
両想いなのに。
オレが意地さえ張らなければ、符和の願いは叶えられたのに。
アイツには、時間がなかったのに。
誰もいない病室に、オレはただ1人、たたずんでいる。
真っ青で雲一つ無い蒼空が、窓を染めていた。